感想 低価格でありながら体験版の容量が850MB超えプレイする前に驚いたのはまず1500円ほどの価格でありながらこの体験版の容量の多さです。今まで価格を見ながらこの価格なら100MBちょっとかなと思っていた所不意を突かれることに。
肝心の内容は共通ルートのようなストーリーから、主人公である花咲桃真(はなさき とうま)が誰を花嫁にするか、3人のヒロイン達の前で明らかにするという、とてつもなく良いところで終わる内容となっていました。
ちょっとせつない純愛キュン甘ADVという事でしたが、想像以上の切なさでした。事の始まりは街一番の富豪の娘・広原セリカの命を偶然にも桃真くんが救っては、そこからセリカさんの親父が桃真くんに実の娘と結婚してくれないかとまさかのお願いをされることに。そこから桃真くんが美人だし金持ちで尚且つ自分を好きでいてくれるという事から正直な話、良いのかもしれない・・と悩みながらも、後にその出来事が引き金となって幼馴染のまどかさんや主人公の妹のさくらさんの態度が急変するのです。
主な原因としてまさに自分以外の女性と結婚しようとしている主人公とは今まで通りに一緒にいる事が出来ないというもので、共に過ごしていた当たり前の日常も無くなってしまい、学園でも態度が急変して見る側としては、この会話見るのキツいなとか思うほどに幼馴染であるまどかさんは、自分が今後どう桃真くんに接していけばいいのかとか、自分はこうしたいんだとか、正直な気持ちと自分の考えを桃真くんにぶつけています。ここら辺の互いの気持ちのぶつけ合い、会話シーンでは表情の変化もちゃんとされているので結構臨場感があって良いです。
一方さくらさんは昔はお兄ちゃん大好きっ子だったのに何故か今ではツンドラのように絶対零度の眼差しを桃真くんに向けながらも妹とは思えない程の女子力の高さに加え家の事は殆どこなすという素晴らしく立派な妹さん。兄よりもしっかりさんで、正しいことは正しい、間違っていることは間違っているとハッキリと言える子。
しかしながら例外もあって実は兄を想う気持ちだけは長年の間、封印してきたのですが今回のセリカさんとの結婚の話が出てきては流石のさくらさんも動揺する。最初は結婚についてきちんと桃真くんの考えを真剣に聞いているというものでしたが、後になって一人になると兄への想いが止められないのか泣きそうになることも。
何だかんだいってさくらさんが居なかったら桃真くんの考えもまとまらなかっただろうなと思うほど、さくらさんはヒロインの気持ちに鈍感な桃真くんを叱ったりもしていたので、個人的にはさくらさん推しです。しかしながら本作では非攻略対象。家の事も兄の事も自分の事を全て考えて一人で抱え込みながらも、これまで自分が納得のいく理想の在り方を求め続けたさくらさんは中々どうして美しいかなと思います。妹なんですけどね。
最後にセリカさんですが、彼女もまた箱入り娘であり生まれてからいつも屋敷で外を眺め、一度も外出したこともない事からそんなセリカさんを見かけた桃真くんはラプンツェルという名で彼女を呼びながらも、遠くから手を振ったりしていた。かといって声が届く距離でもなかったので、ただお互いが自分たちの存在をアピールしていたというだけという感じです。ラプンツェルって何だろうなという事ですが、グリム童話に出てくる高い塔の上に閉じ込められたヒロインの名前だそうです。正にセリカさんのことですね。
そんなある日、命を救われた相手がいつも遠くから手を振って意思疎通するだけであったはずの桃真くんに救われたとなったらセリカさんは何を思うか、桃真くんを運命の人だと認識する。それにお胸も触られてしまったようなので・・と。ここまでは典型的なお嬢様らしさ溢れる所ですが、後にセリカさんとは結婚の話をしながらもまだ全く知らないセリカさん自身の話や、広島家の習わしなどきちんと自分について知ってもらうために会話をしたりするなど、セリカさんが桃真くんを相手に如何に真剣であるかが分かる。結婚について家の習わしや御父様の意見があろうと、結果的に誰が何を言おうとセリカさんは家名や家族のために必要とされる役割を担う事が自分にとって良いと思っていることでもあり、それでいて小さな頃から桃真くんとは遠かれ密かに想いを寄せていたという事でセリカさんは桃真くんが良いというもの。そしてセリカさんと桃真くんが結ばれることで結果的にセリカさんは今まで屋敷の外に出れなかったが、結婚した後に出れるようになるという事を知った桃真くんにはそういった同情や哀れみで結婚はして欲しくないと言う。ただありのままの自分、まだ全てとは言い難いけれど今この場にいる自分をただ女として求める、そういう好意があるという純粋な言葉が欲しいのだと語るのである。
・・まだ所々ヒロインが何をしているか詳しく書けていないところがあるんですが、改めて良いヒロイン達だなと思います。主人公が一方的に格好つけてはヒロインを攻略していくというモノではない所がまたそのヒロインの魅力を引き出しているのかなという所ですかね。互いに思いをぶつけ合って行くところまで行った後に、気づけば何か互いに両想いなんだなこの子たち・・っていう雰囲気になっているのが凄くニヤけてしまうといいますかね。良いなあ・・と。
グラフィックも凄まじく綺麗でした。背景なんか特に綺麗であるべき所はもうてっかてかに。誰かが使っているであろう所はこんな感じっていうイメージがきちんと頭に入っているのか極端にてかてかしている箇所も違和感なかったりします。
肝心のキャラも立ち絵から一枚絵含めて可愛らしく表情も分かりやすいものとなっていたので、非常に全体的に安定しているのかなと思います。
個人的には結構オススメしたいタイトルであります。ただ内容で少し問題なのはヒロインと桃真くんの結婚話になった後のヒロインが考えすぎ、重すぎるヒロインといった意見の人もいると思うのでまずはヒロインと桃真くんの会話シーンを見てから判断する方がいいかなと思います。そういうちょっと生々しい純愛ストーリーのエロゲーがプレイしたいという人にはオススメです。
以上で感想を終わります。ありがとうございました。
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